|
|
|
|
KATSUYAの破竹の店舗展開は止まらない。もちろん、オープン後、どの店も時をおかず、人気店へと展開されているのは言うまでもない。(Brentwood店は既に3ヶ月先まで予約が取れない人気店だ。)かの”Benihana”オーナー、ロッキー青木氏の著書に触発された勝也氏の目標はもちろん、全米、そして世界への展開。その日もそう遠くはなさそうだ。
人気店KATSUYAの始まりは、ある金曜日から。念願の一号店KATSUYAをオープンしたものの、一年ほどは苦しい日々が続く。どうしたらお客さんが入ってくれるか、試行錯誤の日々だったという。そんなある日。「なぜか突然、信じられないくらいお客さまが来た」。その後は一転、客の途絶えることのない盛況ぶりとなる。その金曜日はなぜ起こったのか、勝也さんに尋ねてみたが、「わからない」そう。ただ開店以来、「お客様の喜ぶものを、美味しいものをつくる。そして、自分の納得しないものは絶対につくらない。」を心がけていたという。映画関係者の多いStudio Cityで、勝也シェフの信念が認められた結果の金曜日の訪れだったのだろう。
上記は近年のKATSUYAオープンの予定である。3年間で5店舗!これだけの勢いで新店舗がオープンすると、多忙を極め、各店舗のクオリティ維持が大変であろう。「でも開けます。」静かにキッパリと言い切る。「こわいです。一店舗一店舗、常に心配は有ります。危機感というか・・・でも、やっぱり、チャレンジしたいですよね。」やるからには全米に。そして、世界に。穏やかながらも、強い意志が感じられる。「(修行時代は)失敗だらけだった。でも、それを苦労と思ったことはない。・・・料理を作るのが好きで、お客さまが喜んでくれるのが好き。だからお客さまが来てくれるのではないかと思います。自分の好きな料理を考えて、食べてもらって・・・。」
お客様の心地よい、ダイニング作り。それを維持し続けるのに、スタッフとの信頼関係は欠かせない。KATSUYAのクオリティを支えるスタッフたちと、勝也氏は「人をみて法を説け」をモットーに接する。「年齢に関係なく、人それぞれもともと持っているものがあり、その可能性を引き出してあげることにより、本人がより良く生きる道を進める。」スタッフ自身の生き方を尊重する、いい言葉である。そして、信頼して任せきる。信頼されたスタッフが提供し続ける、外出したときに勝也氏がされたい“痒いところに手が届く”、元気なサービスが、人気店KATSUYAを支える縁の下の力になり、新たな出店をも支えているのだろう。
開ける店開ける店、どこもすぐに大繁盛店へと押し上げる、ザガットに輝く凄腕シェフ。さぞや自分にも他人にも厳しいのでは?と取材前、少々不安に感じていたのが、とんでもない。勝也さんは、物腰のゆったりとした、誰に対しても非常に丁寧で、穏やかな方だった。料理人を目指した理由はTVドラマから、などお茶目な一面もある。かの有名な辻調理師学校での就学時代は、「僕は勉強が嫌いで全く勉強しませんでしたから、全く役に立っていません。」と笑う勝也さんには親近感すら覚えた。非常に近寄りがたい人かも・・・と想像していた分、あまりに気軽に話せるその様子についつい、いろいろと踏み込んだ質問をしてしまった。そのうちの一つのお答えをここで披露。
Q.たくさんのお店を作る、勝也さんの夢の一店ってどんなお店ですか?
A.「24人座れる、私ひとりで出来る小さな店がやりたいです。」KATSUYAでは頻繁に訪れる常連のお客様も長く待ってもらわなければならない。だけど、待っても常連のお客様はKATSUYAをたびたび訪れ、勝也シェフのおまかせ料理を食す。勝也シェフの、その時のひらめきとアイデア、そしてその日の最高の素材によって作り出される、おまかせコースを、提供するレストラン。そのためには、大人数を相手に出来ない。カウンターとテーブル一つ程度の小さな店。「看板も何もなく、見つけた人だけ入ってくればいい・・・。」繁盛店を次々に作り出すシェフの、なんて素敵な夢だろう。静かだか力強いやり遂げる意思の力と直感に溢れる勝也シェフは、きっと夢に終らせず、いつか夢の一店を作り上げるだろう。看板のない店をみたらぜひ覗いてみようと思う。もしかしたら勝也シェフのインスピレーションの生きた、幸せな食事に出会えるかもしれないから・・・。
|
| |