NBA大スター、皆さんご存知のコービ−・ブライアント。LAレイカーズで大活躍中だが、その名前「コービー」は神戸牛から名付けられたのだ。彼の両親が食した神戸牛の味に感動し、「私の息子の名前は、神戸に決定だ!」なんとも微笑ましい(?)話である。

神戸牛は、世界で認められている日本の高級ブランド牛。その価値と貴重さは、一体何なんだろう。驚くことに実は、日本中どこを探しても、兵庫県内の牧場のどこを探し回っても、神戸市内の牧場これでもかと言う程探し回っても、「神戸牛」と名の付いた牛は存在しないのだ。「なぜ?」と疑問を抱く人もいると思うが、これはまぎれもない事実。「神戸牛」自体、他の「松坂牛」や「十勝牛」に合わせた俗称で、実際には「神戸ビーフ」、「神戸肉」と呼ばれ、これは何と「称号」なのだ。生産者・食肉流通業界・消費者の協力のもと設立された「神戸肉流通推進協議会」という団体があり、この協議会が定める厳しい定義をクリアしたものだけに、最高級牛肉「神戸ビーフ」「神戸肉」の称号が与えられる。

この定義を簡単に説明すると、まず牛は、兵庫県産の但馬牛に限り、食肉処理場に出荷されていることが大前提。この但馬牛とは、兵庫県北部の但馬地方で育った和牛の中の黒毛和種。この牛、優れた肉質と協力な遺伝子を生まれもち、全国の和牛改良にもよく活用されるのだ。黒毛和牛という牛は全国各地にいるが、但馬牛だけは、他県産の血を入れていない。この但馬地方の土地条件も高く、良い草と変化に富んでいる。水は硬水でラジウムが多く、山草には肉牛がよく育つのに必要な薬草が含まれている。その上、牧草にも恵まれている。

付け足すのを忘れたが、神戸牛は、この但馬牛のなかから、より優れた牛が選ばれる。どこまで選んだら気がすむのか、一般人の私たちには分からない。霜降りの度合い、色、肉生地のきめ細かさ、脂の質、赤身の割合が多いか少ないか、これらの全てにおいて査定され、その選ばれし但馬牛だけが、誇り高き「神戸ビーフ」となる。

この神戸ビーフの中で、その美味しさの要素を一つだけ挙げなければならないとすれば、それは「霜降り」だろう。日本人は霜降り肉を極端に好む。「霜降り」という言葉が耳に入るだけで、日本人は興奮する。鮮紅色が魅惑的に見える赤身と見事な霜降りが交雑しているのが目に入れば、よだれが湧き出る。見事な神戸牛の霜降りは血統によって生み出されているため、今でも血統の純潔性は大事に守り続けられている。同じ餌、同じ環境で育てても血統が違うだけで、「霜降り」にはならないのだ。その「霜降り肉」は、熱を加えるとその脂肪(白部分)が解け始め、そのまわりの筋肉(赤身)をときほぐし、実にやわらかい、絶妙な舌触りとなる。赤身の持つ美味しさと脂肪の香りが絶妙に溶けあう... 「まろやかで上品」だけでは表現できない至福。

舌は正直なもので、おいしいものはおいしく、その味を記憶する。神戸牛は選ばれし食材。その味、食感、風味をあなたが記憶すること間違いなしだ。