3月3日は桃の節句。女の子が健康に育ち、幸せな結婚をすることを願う行事で、宮中を模した人形を飾り白酒を飲むのが慣わしである。 節句とは中国から伝わった暦の上の習慣で、元は多くのバリエーションがあったが、江戸時代に五つに整理され五節句となった。因みに他の4つは 桃の節句は上巳という。
 

では何故桃の節句に人形を飾るのだろう? 節句の本家、中国では古来この日に川で身を清め、穢(けが)れを祓(はら)うという習慣があったが、これが平安時代に日本に輸入された際に、紙で作った小さな人形に自分の穢(けが)れを移し、それを川や海に流すという形になった。(「流し雛」はその原型の名残といえる)やがてその人形が精巧になり、流さずに家に飾るようになり雛飾りとなった。無論最初は宮中や貴族のイベントだったのだが、やがて武家に伝わり江戸時代には庶民も行うようになっていったという。雛飾りは宮中を模した人形で、男女雛に加え右大臣・左大臣、侍女(三人官女)、そして宴のバンド(?)五人囃子(ばやし)で構成される。

桃の節句の際の食べ物としては菱餅(ひしもち)、雛あられ、そして白酒がある。白酒とは、みりんや焼酎などに蒸したもち米や米麹を仕込み、一ヶ月ほど寝かせた後軽くすり潰したもの。白濁(はくだく)していて、アルコール度数は9%前後。糖質が45%ほどあり、日本の酒税法上はリキュールとなる。
この白酒、アルコールがほとんど入っていない甘酒と混同されることが多いが、甘酒はご飯や粥に米麹を加えて保温し、米のでんぷんを糖化させたもの。いわば清涼飲料水として親しまれてきたもので白酒とは全く別のものである。

因みに、3月3日を過ぎても雛飾りを飾っていると婚期が遅れるという俗説があるが、これはあくまで俗説。中国から伝わった由緒正しいものではない。