冷やし中華は日本の夏の風物詩。この冷やし中華、いわゆるサラダ感覚で食すことができるため、暑い季節に好まれる。昔ながらの冷やし中華は、冷たい中華麺の上に細切りにしたハムやチャーシュー、錦糸卵、細切りにしたキュウリを彩りよく盛り付け、醤油と酢、ごま油、砂糖をベースにしたかけ汁をかけて食べるもの。練りからしを添え、

さらに紅しょうがで飾るのが定番。冷たいタレがよく絡まるようにと、ちぢれ麺を使用する場合が多い。各店の特徴はタレの他に麺の上に飾られる具にも反映される。冷やし中華が誕生した背景には、中華料理店店主の汗と涙の努力があったことを語らずにはいられない。夏の季節に敬遠されがちな中華料理をどうすれば皆に喜んで食べてもらえるようになるのか、という考えから始まったと言われているが、『熱いのが駄目ならとことん冷たく』ということで考案されたのが冷水で冷やした中華麺。

上にキャベツ、キュウリ、ニンジン、チャーシュー、トマトを飾り、涼しさを演出。タレは暑くても食欲が進むようにしょう油、酢、ごま油のさっぱり味に仕上げた。食べやすさを考え具は細切りで統一。彩りも考慮して卵の黄色、キュウリの緑、紅しょうがの赤と華やかに。こうして、試行錯誤のうえ誕生した“冷やし中華”は見事に日本国民を虜にし、瞬く間に全国に広がっていった。
最近ではバリエーションも豊富になり、具には、バンバンジーからヒントを得たと思われる蒸し鶏をはじめ、豚肉・エビ・もやし・レタス・しいたけ甘煮・なす・くらげ・わかめなどが登場。タレは元来のしょう油ダレの他にゴマダレがひそかに人気を呼んでいる。今ではすっかりお馴染みとなった冷やし中華だが、実は 冷やし中華はダイエットを意識する方にもオススメ。

中華麺は日本蕎麦よりもさらに体に糖分が吸収されにくい炭水化物。酢と野菜の繊維質、そしてたんぱく質の効果で血糖値の上昇を抑えることができる。今日でも、「冷やし中華はじめました」などのポスターや大きなのぼりが店先に立てられたりする光景を目にするが、これには夏に不足しがちなビタミン補給に冷やし中華が一役買いますという、中華料理店からのいたわりが込められているのかも知れない。さて暑い夏を迎え、この期間限定の冷やし中華をどうぞお試しあれ!